漢方薬辞典 |
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小柴胡湯(ショウサイコトウ)
【警告】 |
1.本剤の投与により、間質性肺炎が起こり、早期に適切な処置を行わない場合、死亡等の重篤な転帰に至ることがあるので、患者の状態を十分観察し、発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)、胸部X線異常等があらわれた場合には、ただちに本剤の投与を中止すること。
2.発熱、咳嗽、呼吸困難があらわれた場合には、本剤の服用を中止し、ただちに連絡するよう患者に対し注意を行うこと。 |
【禁忌(次の患者には投与しないこと)】 |
1.インターフェロン製剤を投与中の患者
2.肝硬変、肝癌の患者[間質性肺炎が起こり、死亡等の重篤な転帰に至ることがある。]
3.慢性肝炎における肝機能障害で血小板数が10万/mm3以下の患者[肝硬変が疑われる。] |
効能または効果 |
1.体力中等度で上腹部がはって苦しく、舌苔を生じ、口中不快、食欲不振、時により微熱、悪心などのあるものの次の諸症:
諸種の急性熱性病、肺炎、気管支炎、感冒、胸膜炎・肺結核などの結核性諸疾患の補助療法、リンパ腺炎、慢性胃腸障害、産後回復不全
2.慢性肝炎における肝機能障害の改善
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組成 |
本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス4.5gを含有する。
日局サイコ(柴胡)……7.0g
日局ニンジン(人参)……3.0g
日局ハンゲ(半夏)……5.0g
日局カンゾウ(甘草)……2.0g
日局オウゴン(黄苓)……3.0g
日局ショウキョウ(生姜)……1.0g
日局タイソウ(大棗)……3.0g
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漢方の基礎知識 |
漢方医学と西洋医学の違い
西洋薬と漢方薬で根本的に違う事は、漢方医学は患者の体質や病状の根本を治して病気・症状を治すという漢方独自の考えに基づいて処方・使用されます。 このあたりが西洋医学的な病気のとらえかたと根本的に違う所ですね。
それぞれの得意分野・不得意分野がありますし、それぞれのメリット・デメリットを理解して上手にお薬と付き合う事が大切で、どちらが良い悪い、どちらが長く飲まないと効かない、という事では無いのですね。
西洋医薬学・医薬品のメリットとは、症状を強く抑えてくれる、という事です。血圧・血糖・花粉症の鼻水・痛み・アトピーの痒みなどを強く抑え、不妊症だと排卵を強く促したりしてくれます。
漢方医学・漢方薬とメリットとは、血圧・血糖によるお血(おけつ:血の汚れ・血の巡りが悪い状態)や花粉症・アトピーの免疫バランスのみだれ、不妊症の方の冷え・生理不順・基礎体温のばらつきから解るその方の体質など西洋医学ではあまり重要視されない所、苦手な所をむしろ大切と捉え、得意とします。
また、漢方には『未病』という考え方があり、病院などで検査をしてもどこも悪くない・病名などは付かない、けれど、なんとなく最近調子が悪い…という症状を『病気では無いけれども、そのままで行くと病気になってしまう…病気未満・未来に病気が見える症状…未病』と捉え、改善していく事が出来ます。まず病名を付けてから治療をする西洋医学とは、このあたりも少し違う点だと思っております。
特徴
漢方の特徴は、伝統中国医学と同様に体全体をみることにあり、「証」という概念を持っています(証は主に体質をあらわす)。
体全体の調子を整えることで結果的に病気を治していきます。このため、症状だけをみるのではなく体質を診断し、重んじるのです。よって、漢方薬も「証」にもとづき患者一人ひとりの体質を見ながら調合します。
漢方薬=生薬?
「漢方薬=生薬」という理解をしている人も多くいますが、これは全くの間違いなのです。日常的に「漢方ではない生薬」の例はとても多いです。
ゲンノショウコやセンブリ、ドクダミなどを煎じて、症状の詳細も体質も考慮せずにただ飲むだけであれば、それを漢方と呼ぶことは決してできません。
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